循環器内科

循環器内科とは?

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 「循環器内科」は全身に血液を送り出すポンプの役割を果たす「心臓」と心臓から全身の臓器に血液を送る「血管」を専門的に扱う診療科です。
 狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈などの心臓の病気や、手足の動脈や静脈などに起こる血管の病気を診断、治療いたします。また、循環器疾患のリスクとなる高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防や治療を行っています。
 循環器の病気は突然発症することも多く、命に関わる状況に繋がることも少なくありません。生活習慣病や喫煙習慣のある方は定期的な診察をお勧めします。
 心臓は筋肉でできた袋状の形をしていて、全身の筋肉や臓器の細胞に酸素がたくさん含まれた血液を送るポンプの働きをしています。血液が返ってくる部屋を心房、血液を送り出す部屋を心室と言って、それぞれ左右にひとつずつあり、右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋に分かれています。

関連する病気

 心臓の4つの部屋の出口には逆流防止の弁がひとつずつついています。その弁が硬くなり開きにくくなって次の部屋に血液が流れにくくなったり(狭窄症)、また逆にきちんと閉じなくなって逆流が多くなったり(閉鎖不全症)する病気が弁膜症です。
 軽症の場合は定期的に経過観察したり、心臓の負担を軽くする内服薬の治療で十分な場合が多いのですが、重症になると手術が必要になることもあります。
 心臓は、全身に酸素がたくさん含まれた血液を送りだす働きをしていますが、心臓自体の筋肉(心筋)も酸素を必要とするので、冠動脈という血管を通って血液が心筋に流れています。この冠動脈が細くなって心筋が酸欠状態になることを心筋虚血といい、その時に胸が痛くなったり締め付けたり心電図に変化が起きる病気を狭心症といいます。冠動脈が完全に詰まって心筋が壊死してしまう病気が心筋梗塞です。
 脈が乱れるのが不整脈です。心拍数が50回/分以下を徐脈、100/回以上を頻脈といいます。また時々余分に脈を打つ期外収縮や、ずっと脈の間隔がバラバラの心房細動など、様々な不整脈があります。きちんと診断するには不整脈が出ている時の心電図をとることが必要ですが、24時間ホルター心電図などの検査が必要ですので、一度受診をおすすめします。
 心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。心不全とは、この心臓の働きが低下し、全身の血液の循環が悪くなり腎臓に流れる血流が少なくなると尿量が少なくなります。すると体の中の水分量が多くなり、手足がむくんだり肺に水が溜まって息苦しくなったりします。他に運動不足や塩分過多、整形疾患でもむくみが出たりしますが、気になる場合はご相談ください。
 動脈硬化は、動脈の弾力性が失われ硬くなり、血液をうまく送り出せない状態になる状態です。動脈の壁に悪玉コレステロールが付着し、血液の通り道が狭くなってしまった結果、血液の流れが悪くなったり、血管が詰まってしまう場合があります。動脈硬化は無症状のまま進行していく場合が多く、血管が詰まってその先の臓器が傷害されるまで症状が出ないことがほとんどですが、その時点で治らない症状であることも多く、喫煙・高血圧・脂質異常症・糖尿病などの動脈硬化の危険因子があるかたは注意が必要です。狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、腎梗塞、手足のしびれなどの原因となります。
 心臓の筋肉を心筋といいますが、心筋が厚くなったり、逆に動きが悪くなって薄くなるような病気が心筋症です。心筋が厚くなる肥大型心筋症は無症状の場合が多く、検診での心雑音や心電図の異常をきっかけに見つかるケースが少なくありません。心筋が薄くなる拡張型心筋症は、動悸や呼吸困難、むくみや倦怠感、不整脈などの自覚症状を伴う場合があります。検診などで心臓の異常を指摘された場合は、専門医で詳しい診断を受けられることをお勧めします。

 高血圧症、糖尿病、脂質異常症、喫煙は動脈硬化の4大危険因子といわれています。動脈硬化が進むと全身の動脈が早く詰まったりする狭心症などの虚血性心疾患や、脳の血管が詰まる脳梗塞、逆に破れやすくなる大動脈が太くこぶ状になる大動脈瘤や脳の血管が敗れる脳出血も起こりやすくなります。血管は水道のゴムのホースと同じようなもので、硬く傷んでしまってから大事にしても元に戻りません。血管が傷んでしまわないうちに生活習慣病の管理を始めることが重要です。